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2025/02/03 17:55
ご訪問ありがとうございます。
野良道具製作所の代表兼、デザイナー兼、営業兼、店舗スタッフの里崎です。
色々な活動をしているのですが、基本的には「地元広島を拠点に、とにかくひたすらに頑丈な道具を作るアウトドア用品メーカー」です。
●頑丈であるということ
●オリジナルであるということ
●使っていて楽しいということ
この3要素だけは絶対に外さず製品づくりに取り組んできたので、こんな道具が好きな方はきっと私と気が合うはずです。
●道具を作り始めたきっかけ
正直、これについては自分でもなぜそうなのか良くわかってないのですが、なぜか私は昔から「頑丈なもの」が好きでした。いや、好きというよりむしろ頑丈でないものを蛇蝎のごとく嫌うほど、ちょっと異常なぐらい頑丈さについての拘りが強い子供でした。
おもちゃなどもすぐ壊れるようなものには一切興味を示さず、ダイキャストで出来た、壊れようがない小さなステゴサウルスの人形を何よりも大事にしていた記憶があります。
それでいうと、私が子供の頃キンケシ(キン肉マン消しゴム)のドラゴンボールバージョンのガチャが流行っていましたが、私は単純なゴムの人形は頑丈じゃないので好きじゃなく、プラ製や金属製(!)の鎧=クロスを着せられるタイプが出てからはそれに熱狂したりしました。
その後少し物心がついてから分かったことは、私が頑丈でないものを嫌う理由のひとつに、「いつか失われてしまうこと」への強い恐怖があるのだということです。壊れるものを使うぐらいなら最初から使わない方がいいと、これは今でもそう思っています。
その感情は別の方向にも向き、今度は「死への恐怖」、災害などで自分の大切なものや命が失われてしまうことへの恐怖が無視できないものになっていきました。
そこで私は、当時まだ小学生だったと思いますが、お年玉などでまとまったお金が溜まっては非常食やサバイバル用品、アウトドア用品を少しづつ買いそろえるようになっていきます。
動機がそれなので、それらの用品を買うにあたっての選考基準もまた「頑丈さ」であることは言うまでもありません。そしてその価値基準は大人になっても変わらず引き継いで今に至ります。
私が自分で道具を作り始めたのも、結局はそれが理由です。
シンプルに「自分が欲しい道具(=頑丈な道具)がどこにも売ってなかったから」。
スタートは、魚突きという遊びに使う「銛」を自作するところからでした。
これこそまさにそうなのですが、当時は銛などどこにも売ってなかったので自分で作るしかありませんでした。

その当時、2000年代初頭だったでしょうか。まだSNSなんてほとんど浸透しておらず、ようやくブログがちょっと流行ってきたかな?という時代だったと思います。
そのように情報が少ない中、先達が作ったHPやブログをむさぼるように読み漁り、あれこれ試行錯誤して銛を作っては毎週のように海に通う日々。その中で、潜り仲間からその自作手銛を売ってくれと頼まれるようになり、簡素なネットショップをはじめてみたのが2010年ごろのことです。
その後テレビの影響や、前述のブログが本格的にブームになったのも追い風となり、魚突きという遊びも盛り上がっていきました。
自分の身ひとつ、それもボンベもない素潜りで「ひと息」で魚と勝負するという、シンプルで根源的な狩りである魚突きには計り知れない魅力があります。もちろん私もそれに取りつかれた人間の一人です。
「変わらないもの」を大切にするという私の価値観と、魚突きのシンプルさが絶妙にマッチしたのだと思います。
●エゴを通すか、環境を守るか
しかしそのお店と魚突きが盛り上がってくるにつれ、自分の中でジレンマも生まれてきます。
これは言うまでもなく当たり前のことなのですが、そもそも自然は限りある資源です。自然を相手にする遊びな以上、その「限りある資源」とどう向き合うかという問題、どうバランスを取るかという課題があります。
密漁問題、航路の邪魔をして漁業者に迷惑をかける等のトラブル、ダイビング業者とのバッティング等、地域によって抱える問題がそれぞれ違うという点も非常に難しいポイントで。
私も弱小ながらその業界で商売をやっている人間として、その現状を何とか変えたく、業界団体を設立しようとしてみたり、我々遊漁者の側できちんとしたルールを策定し、それをベースに地域の方や漁業協同組合さんと連携を取ろうと試みたり様々なあがきをしてきました。
ただ結論としては、それらの動きが実を結ぶことはありませんでした。これは完全に私の力不足です。
そもそも自分自身がさんざん魚を獲ってきたのに、他人に対して「あまりたくさん魚を突くな」とは口が裂けても言えないよねというのもあるし、私みたいに業界側にいる人間がルールを策定しようとしたら「あいつは利権を狙ってる」と思われても仕方がないよなとも思うんです。まあ逆に利権を狙っていたならもっと必死で業界団体設立に向けて動いていたかもしれません。笑
そんな冗談はさておき、そんな自分自身の力不足や、何より自分が好きだった魚突きという遊びを純粋に楽しめなくなってきたのもあり、一旦、上の写真のクエを区切りとして、一度魚突きから離れることにしました。
キャンプをはじめる
もともと、魚突きを頻繁にやっていた時にもよく海辺でキャンプはしていました。
そういうシーンで「こういうのが欲しいんだよな」という焚き火台のイメージは何となく頭の中にあったのですが、これを機に形にしてみようと思い、試作に試作を重ねて完成したのが「野良ストーブ」です。

野良ストーブが完成してみて思ったのが、「やっぱり自分はひとりが好きなんだな」ということ。
野良ストーブなんかは特に、ひとりでこじんまり焚き火をするのに特化した機能と構造になってます。
ラフに扱えて、暗い場所でも容易に組み立てができて、そのへんに落ちてる流木など少ない薪でもガツンと火力が出せて、それでいて調理にも使いやすいもの。
登山をやるわけではないので、そこまで軽量じゃなくてもいい。むしろ軽量化のために強度が犠牲になる方が怖い。
ソロだと頼れるのは本当に道具しかないので、焚き火台が壊れて使えないとなるとメシも食えないし暖も取れないですから。
「野良」という名前
単独行動、頑丈さ。そのイメージもそうだし、「野を良く」というイメージが自分の中でしっくりきたような気がして。
そして面白かった&有難かったのが、そういうスタンスでものづくりをしていたら、なぜか同じような価値観の(=野良な)人たちが集まってくれるようになってきたことです。

もちろんみなさんスタイルはバラバラ。
登山をする人だっているし、ULな人だっている。なんならキャンプはあんまりしないって人もいる。それでも全然普通に話せるし、楽しく交流ができてしまうこの心地よさは初めて経験するものでした。
これを知ったとき、「あ、この楽しさ伝えていきたいな」と思ったんです。
道具を売るとかそういうことが本質なのではなくて、こういう自由さ、心地よさ、これこそがアウトドアの良さなんじゃないかなって。
今の時代に必要なもの
「考えごと」が多すぎる今の世の中で、「何も考えなくていい」のって自然の中ぐらいじゃないかと思うんです。
でも、最近はそれを忘れてしまったのか、あれだけ大自然に抱かれて、あれだけマイナスイオンを浴びてるはずなのに、ネット上ではギスギスとしたケンカばかり、なんのこっちゃようわからんなと思うことも多くて。
だから一旦そういうのから離れて、野良になっちゃえというか。
自分と、自然だけ。
それだけ。
そこに決まったスタイルは無いし、勝ち負けもない。当然競争もない。
本来はそのぐらいシンプルなはずで。
焚き火もそう。海に潜るのだって、山に登るのだって同じ。
自分と、自然。その間に道具があって、それを使ってどう自然と向き合っていくか。
別に過酷でなくたっていい。便利で快適でも全然いい。
もともと自然は過酷なものだし、それに立ち向かうために道具がある。
そこは同じだし、あとは程度問題に過ぎないですから。
まるでまとまりがないのですが、そんな感じで昔も今も変わらず、無視できない自分の価値観を軸にものづくりに取り組んでいるのが私です。
今後作っていくものはアウトドア用品ではないかもしれないし(現に今自転車のパーツを作っていたり)、全く違うジャンルの仕事もしたりするかもしれません。
または、そんな私の価値観が時代に合わないものになり、早々にこういった場所から姿を消しているかもしれません。もちろんそうならないように頑張りはしますが、もしそうなっても、私が手掛けた道具はおそらくずっと使えると思いますのでその点はご安心下さい。
代表略歴
里崎 亮
株式会社ノラクリエイト代表取締役
野良道具製作所代表/プロダクトデザイナー
広島県福山市出身。以来ずっと広島育ち。
幼少の頃より外遊びとものづくりが好き。LEGOを極めたと自負している。
2010年、魚突き用品を製作販売するショップ「JACKKNIFE」をオープン。オリジナルの手銛を一人でコツコツ製作。
2018年、自分が海で使うために作り始めた小型焚き火台「野良ストーブ」が最終形に至ったのをきっかけに「野良道具製作所」を起ち上げる。
その後は長年培ったアウトドア経験やものづくりの経験を、防災・福祉の分野に活かすため新たな活動「Outdoor Welfare」をスタート。

