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2025/02/03 17:55
いつもありがとうございます。
野良道具製作所の里崎です。
「自分が欲しいモノを作る」
これは今やよく聞くフレーズになりました。
例に漏れず私もそんなものづくりを続けてきて、気づけば15年が経過しようとしています。
最初は魚突きという遊びに使う「銛」を自作する所からでした。
そもそも、銛自体が当時どこにも売ってなかったので自分で作るしかなかったのですが。

そして魚を獲るためのキャンプを始め、今度はそのスタイルに合う焚き火台が欲しくなりました。
大きな火でなくていい。コンパクトで設営が簡単で、それでいて頑丈で、海辺で暖が取れて、かつ調理にも使いやすいもの。
それを突き詰めていって完成したのが「野良ストーブ」です。

銛も焚き火台も、「自分の欲しいモノが市場に売ってなかったから作った(作るしかなかった)」というスタートだったせいか、同じ感覚を持つ変わり者たち(もちろん褒め言葉です)が興味を持ってくれるようになりました。
これは本当に有難いことで、この猛者たちの目に適うモノが作れているうちは自分はまだ腐ってないなと、そう判断できる一つの基準が出来たと思いました。
もちろん、自分自身のスタイルも常に変わっていきますし、アウトドアアクティビティの技術も変化していくものでしょう。そうなれば当然、作る道具、欲しいと思う道具も変わってくるのが自然な流れです。
でも、この時に出来た「潜り仲間」「野良仲間」、自分はこの「仲間」に自信を持って勧められる道具だけを作ろう、
そう思ったことは今でも全く忘れていませんし、それは今後いかに自分のアウトドアスタイルが変わっても決して手放さない感覚です。
頑丈な道具が好きなんですよ。
「壊れるかもしれない」とビクビクしながらアウトドアを楽しむことは、僕にはできなくて。
何の心配も邪念もない状態で、本当にリラックスした状態で自然と向き合いたいんです。
だから多少ラフに扱っても壊れない、そんな道具が欲しかった。
日本は昔から「アウトドア=登山」のイメージが強いせいか、ライトウェイトなギアはそれなりにあったけど、そこそこ重いけど頑丈でタフな道具というのは当時ほとんど無かったと思います。
もちろん、道具は適材適所。
ライトウェイトなギアでないと到達さえできないケースも当然あるし、そういうの一切気にせずラフにキャンプしたいことだってある。どちらがどう、とかではないんですよね。
この「みんな自然の中で遊ばせてもらってるんだからさ、他人のスタイルなんてどうだっていいじゃん」なスタンスもずっと変わりません。
ほんと、もっとみんな「野良」でいいんじゃないかなって思うんです。
色んなしがらみや、ギスギスしたSNSのことはとりあえず忘れて。
「自分と、自然だけ」
という、本来のアウトドアを思い出してみるのもいいんじゃないでしょうか。
略歴
里崎 亮
株式会社ノラクリエイト代表取締役
野良道具製作所代表/プロダクトデザイナー
広島県福山市出身。以来ずっと広島育ち。
幼少の頃より外遊びとものづくりが好き。LEGOを極めたと自負している。
2010年、魚突き用品を製作販売するショップ「JACKKNIFE」をオープン。オリジナルの手銛を一人でコツコツ製作。
2018年、自分が海で使うために作り始めた小型焚き火台「野良ストーブ」が最終形に至ったのをきっかけに「野良道具製作所」を起ち上げる。
その後は長年培ったアウトドア経験やものづくりの経験を、防災・福祉の分野に活かすため新たな活動「Outdoor Welfare」をスタート。