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2025/02/10 15:18

以前、公式HPのブログでも書いたのですが
「このナイフはバトニングしても大丈夫ですか?」
系の質問はオンラインでも直営店でもよくいただきます。
ここで、大抵のメディアでは
「フルタングのナイフなら大丈夫です!」
って書いちゃいがちなんですが、
個人的な意見としてはちょっと疑問で。
結論としては「別にバトニングしてもいいけど、壊れる可能性はあるから自己責任ね」という回答が誠実なんじゃないかなという気がします。
フルタングのナイフでも、ハンドル内部のタング部分を大きく肉抜き(レーザーカット)してあるナイフだと、カットして細くなったタング部分がバトニングの衝撃でクラック入ったりします。

写真は私物のKABER BK-16ですが、ご覧の通り結構肉抜きしてます。
あ、もちろん相対で言えばフルタングのナイフのほうが強いですよ。
ナロータングや、ナロータングに近いナタみたいなタング構造よりかはフルタングのほうが強度は上です。
※フォールディングナイフでバトニングは絶対にやめましょうね。壊れますし怪我します。
バトニングとは
そもそもバトニングって、薪にナイフの刃を当てて、上から他の薪でナイフぶっ叩いて小割りにする、という技法です。
ぶっ叩く以上はかなりの衝撃が加わりますし、少なくともナイフにとって優しい行為じゃありません。
なので、ナイフメーカーさんなんかはバトニングという行為自体に眉をひそめたりもしますね。
と、ちょっと厳し目のことを言ったのは、初心者の方などで以下のようなトラブルを起こしてほしくないからです。
・お気に入りのナイフをバシバシ叩いてたら壊れた…
・ナイフをハンマーで叩いてたら壊れた…
・丸太から抜けなくなって左右にコジッてたら折れた…
多少ナイフを使ってる方なら「そりゃ当然そうなるでしょ」な内容ですが、キャンプやりはじめでナイフの選び方も使い方もわからない方もいらっしゃいますからね。誰だって最初はみんな初心者。
なので、一応啓蒙の意味も込めて「バトニングはナイフ壊れる可能性もあるから、自己責任でね」とは言います。
が、自分としてはあんまり「〇〇警察」みたいなのは好きじゃないのと、そのあたりのリスクを踏まえた上でなら別にバトニングはしてもいいんじゃないかなと思ってます。私もたまにやりますしね。
注意点
そこで「やっちゃダメ」な注意点だけお伝えしておきます。
・ハンドルを叩いちゃダメ
バトニングで叩くのは、ナイフのブレードの背です。ハンドルを叩くと壊れます。
・こじっちゃダメ
ナイフ全般に言えることですが、こじっちゃダメです。普通に金属の薄い板なので、刃の方向のタテには強いですが、刃に対して垂直のヨコ方向の力には弱いです。コジると曲がるか折れます。
・丸太を割ろうとするな
太い丸太や丸太を無理矢理バトニングで割ろうとしないように。
バトニングは、あくまで「小割り」を作るための手法です。薪割りをするための手法じゃないです。
ナイフ選び
バトニングをやる、やらないに関係なく、最初のナイフは安めで頑丈な、ちょっと小振りな一本を選ぶといいと思います。
もちろん最初から気合い入れてお高いナイフ買うのも良いんですけどね。
気兼ねなくガンガン使って、それで切れ味悪くなったらラフに研ぐ、みたいな経験って大事だと思うんですね。
高級ナイフだとそれをやる勇気が出なくて飾りになりがち。
そういう観点から、最初の一本として「野良チョイス」で選んがのがこれ。
くわしくは上のページご覧いただけたらと思いますが、このナイフやたら頑丈なんですね。
日本では仕事でラフに使う刃物として「カッターナイフ」が有力ですが、どうも北欧ではこういったラフに使えるナイフをカッター的に使うことも多いようで。
そのためか無駄な装飾は一切無いながら、とにかくタフなナイフです。
なんなら、メーカーの公式パッケージにハンマーでナイフを叩く絵が書いてある。笑
(本当にハンマーで叩くのはオススメしないよ。というかその必要もないし笑)
どんだけタフかちょっと見てみたいという方は、海外のナイフぶっ壊し系Youtuberの動画を見てみて下さい。